総合日本語コース授業風景

総合日本語コースは、非漢字圏学習者で日本の大学や大学院、専門学校への進学を目指す人のためのコースです。
 日本の大学に入学するためには、大学および一部の大学院の受験に必須となる日本留学試験(EJU)で高得点をマークする必要があります。そのためには、大学等で必要とされるレベルの高い日本語能力と大学が指定する文系、理系科目における基礎学力を身につけておかなければなりません。
 日本語能力については、単に日常生活で使う"聞く・話す・読む・書く"基礎能力だけではなく、日本人学生と同等に学業を修めるために、大学の講義を十分に理解しながら"聴く"力、自分が学び、研究したことを授業などの公的な場で"発表する"力、また、専門用語の知識はもちろん、その専門分野の論理的文章を"読み込む"力、さらには、科学的、論理的思考により正確に自分の考えをレポートや論文に"論述する"力が必要です。総合日本語コースでは、こうした大学、大学院の受験や生活において必要な日本語能力(アカデミックジャパニーズ)をしっかりと身につけていきます。

また、基礎学力養成のために、総合科目への対策として、「現代社会」、「地理」、「歴史」はもちろん、多くの大学が受験時に参考にする英語、さらには、本校入学時から大学入学まで受験に必要な情報を得て、スケジュール管理を行い、実際に準備していくための「進学対策」の授業を設定しています。希望者には、通常授業外で「数学」、「化学」、「物理」の授業も提供しています**。
 なお、このコースは、日本語学校の中でも数少ない文部科学省認可の「準備教育課程」でもあり、海外において高校卒業までの年数が12年未満であるような場合もこのコースを卒業すれば、日本での大学出願資格を得ることができます。
 本コースで長期的に学習するため「留学ビザ」が必要な場合は、本校で申請、取得が可能です。留学ビザ以外の長期ビザを取得している方も本コースへの入学が可能です。
              *(財)日本語教育振興協会の認定基準は760時間。
              **別途受講料が必要です。

総合日本語コース授業風景

日本語科目(週19時間)

総合日本語コースの最も重要な時間。日本語能力の基本である“聞く・話す・読む・書く”の4技能を総合的にバランスよく、しかも着実に向上させるための日本語授業です。入学時にひらがな、カタカナを読み書きできる程度で初級から始める人でも、毎日の授業、課題をこなすことによって、1年半から2年で専門用語を辞書を引きながら読み、ニュースを聞き取り、時事問題などについて討論したり、調査したことを発表したりする最上級レベルまで到達することができます。ほとんどの大学において入学選抜時にその成績結果が参考とされる日本留学試験、また世界的に認められた日本語能力試験において高得点を獲得することも可能となります。
 

日本語能力試験(JLPT)・日本留学試験(EJU)対策(週2時間)

語彙・文法の知識を増やしながら各試験対策を行います。読解・聴解などの問題を少しずつこなしながら、問題の傾向を説明し、問題を解くコツをつかみ速く解答できるようにしていきます。専門学校希望者にも対応できるように、JLPT対策も取り入れています。
 

総合科目のための現代社会科目=公民、地理、歴史(週2時間)

総合日本語コースでは、日本留学試験の総合科目対策のため、また、日本の社会やしくみや世界について理解を深め、関連する言葉について日本語で理解、表現ができるように社会科目を設置してます。「現代社会=公民」「地理」「歴史」の授業を日本語で受講し、生活などの身近な事柄から、より大きな社会問題まで日本語で学び、考えていきます。例えば、日本の経済や政治のしくみ、世界の国々の状況ついて日本語で学び、グループで調べ発表し、クラスで討論したりすることは、日本の大学などへの受験にはもちろん、その後の大学生活や社会生活においても非常に有益な学習になるにちがいありません。
 

英語(週1時間)

英語のレベルごとにクラス分けし、初級レベルでは基本的な英語表現の知識を増やし、中級以上では主に読む力を伸ばしていきます。また、英語から日本語への翻訳も積極的に取り入れ、大学入試に対応できるようにしています。
 

進学対策(週1時間)

たとえば、スポーツで、驚くほどの戦力はあっても、戦略や戦術がなければ容易に勝利することはできません。日本の大学や大学院を受験する場合も同じです。単に日本語や受験科目を学べば容易に受験を乗り越えられる訳ではありません。日本の学校教育のシステム、大学、大学院で何を学びまた研究することができるのか、自分が希望する将来像からどのような学科を選んだらいいのか、実際にどんな大学や学科があるのか…など自分の国の状況とはどのように異なるかという点も含めて、まず理解することが必要です。また、実際の入試のために、どのような学習上、手続き上のスケジュールを立てて準備をしたらよいのか、生活上注意しなければならないことはどのようなことなのか…を知り実践していかなければなりません。そのような「勉強」以外の重要な受験における戦略や戦術を学び、実際に準備を進めるために設けられたのがこの「進学対策」の授業です。